小柳景義インタビュー


Artist Group-風(日本画家 中島千波、中野嘉之、畠中光享)が画壇に新しい風を送り、後に続く作家の輩出を目指して2012年からスタートした大作公募展。あいおいニッセイ同和損保はその趣旨に賛同し2020年から同展に奨励賞を設け、若手作家の更なる創作活動を支援するために2021年第10回受賞作家の小柳景義さんの個展を開催しました。

今回の展示では大作が3点展示されています。画面を覆う大きな樹や岩の上に非常に精巧に描かれた人物が配置をされています。これが小柳さんの作品の特徴だと思いますが、この様な描き方で行こうと思われたきっかけは何ですか。

-きっかけは卒業制作の時、大きい岩を描いているうちにそこにいろいろな地形が見えてきて、そこに人間を配置してみようかなと思いついたのが始まりですね。

その前段階として、僕が子供の頃よく見ていた本がありまして。Nゲージのジオラマの写真集だったり、ウルトラマンの特撮を扱った本で怪獣がビルを壊す瞬間とか、たまらないなと思って見入っていたんです。

そんな時、こういうところに小さい人間がいるんだろうなというのを想像したりするといろいろ楽しくなったっていう記憶があって、それがどこかで蘇ったんでしょうね。作品の中にちっちゃい人間を置いてみて、いろいろ動かしてみたら楽しいんじゃないかと。最初の頃はまだ白い棒人間みたいだったんですけれども、何回か描くうちに、だんだんその人間にも色々凝るようになってきて。次第に歴史もの、合戦ものを描くようになって行き、そこで人物にも色々と、鎧を付けてみたりとか、どんどん発展していきましたね。

描かれている人物を子細に見ると、歴史の中の有名な武将だったり。よく見ると一目で「あっ、あの人物だな」と判るモチーフが多いのですが、小柳さんはやはり合戦ものとか、歴史に興味があったのですか。

-これも小さな頃からなぜか好きになっていきましたね。正月時代劇とか大河ドラマ、黒澤映画も。その中で見た合戦の大群というのが、やはりすごい迫力で。そういうのを自分でも表現できたら楽しいのかなと思って。

制作中は、その人物と同じような目線になって画面に入り込んで行くとか。

-そうですね。勇ましさであったり、臆病な感じだったりとか。人を沢山描いていますが、一人一人に自分の意志みたいなものを注ぎ込んで行く、そういうつもりで制作しています。

有名人物に対しては、馬印旗印を一緒に描いて、誰か直ぐ分かるようにしてあります。歴史の好きな人にも楽しんでいただけると思います。

UNPEL GALLERYの外観