同和火災コレクション巡回展-新潟県立歴史博物館
あいおいニッセイ同和損保が所蔵する災害史資料-同和火災コレクション-が、新潟県長岡市にある新潟県立歴史博物館で4月22日から公開されています。
コレクションは現在専門家によって研究が進められると共に、全国各地を巡回しています。
今回の展示の内容、見どころについて展覧会の担当学芸員 田邊 幹さんにお話を伺いました。
-先ずこの博物館の特徴について教えていただけますか?
常設展示が館の特徴を表していると思うのですが、大きく2つの柱があります。一つは新潟の歴史と文化の紹介です。通史とともに「雪と暮らし」、「米づくり」をテーマに紹介しています、もう一つは縄文展示です。この辺りから火焔土器が出土していることから展示の柱になっているのですが、新潟に限らず、その時代の暮らしと文化全体を見渡せるものになっています。
-今回の企画展を開催されるきっかけは?
当館は2000年に開館しましたが、その後2004年に新潟県中越地震を経験しています。
私自身も震災後の文化財レスキュー活動に関わってきました。また個人的にも震災を伝える諸施設の外部委員を務めてきました。
また収蔵品の中に絵葉書のコレクションがありまして、その中には関東大震災の資料もあり、メディアとしての絵葉書を研究してきた実績があります。
こういったことを踏まえ、新潟県内に所在している、高田地震(寛延4年 1851年)、善光寺地震(弘化4年 1847年 新潟でも大きな被害が出ている )、三条地震(文政11年 1828年) の資料を同和火災コレクションと組み合わせて、この館の展示室全体を使ってご覧いただけると考え企画しました。
-同和火災コレクションは全国各地で起きた多くの災害をカバーしていますので、ご当地の貴重な資料と組み合わせてみていただくことができる訳ですね。
お客さまは地元に関する資料には興味を持っていただけます。ただ、それに加えて、同和火災コレクションは、手紙などの一対一の資料とは異なり、瓦版など不特定多数に向けたものが多いわけです。そこからその時代の社会のあり方とか、人々の考え方が分かる。時代背景を理解した上で、越後の資料を見ていただくことも大事だと考えています。
-では、今回の展示の見どころについて教えてください。
木版刷りという資料の特徴に着目していただいてはどうでしょうか?
特定の個人に宛てた私信とは異なり、不特定多数に向けたもの、つまり大衆が興味を持つもの、人々が見たい、知りたいと欲するものなんですね。マスメディアの始まりと言っても良いと思います。
-同じ災害をとりあげていても、速報版があり、時間が経過して調査を踏まえた詳細版もあります。
収集資料は、それ単体では、その情報がどういうルートでどう伝わったかが分からない。
展覧会タイトル「伝える」のとおり、どの様に情報が伝わっていったのか、を知る上で同和火災コレクションの資料点数の多いことは貴重なことだと思います。
例えば、今回の展示でも県立図書館に所蔵されている「越後地震口説」*が、コレクションにある三条地震の瓦版の筆写とともに、タイトルが違う別の本に引用されていることが分かりました。つまり、いろいろな経路から入ってきた情報を、受け取った人が加工して更に新しい情報として発信しているということです。
*江戸時代文政11年に現在の新潟県三条市付近で発生した地震について盲人の芸能者が唄い伝えたもの
-コレクションがいろいろな地域に巡回展示され、それぞれの地域で、ご当地に関する資料と出会い、つながり、新しい発見がある。このような形でコレクションが活用されることは自らが収集した資料を会社に寄贈し、広く社会のために役立てたい、という廣瀬氏の遺志が実現されていると感じます。
展覧会情報
新潟県立歴史博物館
「伝える―災害の記憶 あいおいニッセイ同和損保所蔵災害資料」
2023年4月22日~6月4日
住所:新潟県長岡市関原町1-2247-2
Tel. :0258-47-6130
詳細は こちら から
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