UNPEL GALLERYは2020年の開廊以来、日本画の伝統を大切にしながら、若手作家の挑戦を支えてきました。
全国の美術大学と連携した「大学日本画展」をはじめ、研究展示や公募展支援などを通して、これまで65回、延べ1074日の展示を実施し、177名の作家が、それぞれに日本画の新しい表現を模索してきました。
5周年を迎える今回の記念展覧会は、長年大切に受け継がれてきた「あいおいニッセイ同和損保 椿絵コレクション」と、若手作家による新作が共鳴。作家たちはコレクションの中から心に響く作品を選び、そこから着想を得て新しい椿を描き出しました。伝統と現代、先達と若き表現者が交わる場として、日本画の息づかいを感じていただける展覧会です。
ギャラリーが企画する「大学日本画展」に参加する各大学から推薦された10名の作家が参加しています。
秋葉 麻由子(あきば まゆこ) 2019年 武蔵野美術大学大学院修了
伊藤 歩生(いとう あおい) 名古屋芸術大学大学院在籍
勝又 優(かつまた ゆう) 2024年 東京藝術大学大学院修了
亀川 果野(かめがわ かの) 2025年 広島市立大学大学院修了
川端 もくは(かわばた もくは) 2024年 多摩美術大学大学院修了
北川 由希恵(きたがわ ゆきえ) 2014年 金沢美術工芸大学大学院修了
竹内 唯可(たけうち ゆいか) 2012年 女子美術大学大学院修了
土田 翔(つちだ しょう) 2022年 東北芸術工科大学大学院修了
中嶋 純花(なかじま すみか) 2025年 京都芸術大学大学院修了
宮下 舞香(みやした まいか) 2025年 九州産業大学大学院修了
作家が「あいおいニッセイ同和損保 椿絵コレクション」から選定した椿絵と、そこから着想を得て描いた新作の椿絵を共に展示しています。
新作10作品から主催者の審査により選ばれた3作品へ「大賞」「優秀賞」「準優秀賞」を授与いたしました。
■審査概評
この展覧会のキーワードを「共鳴」としたのは、先達の描いた「椿絵」から「いいなあ」と思ったものを元に、それを受け止めた若き日本画家たちが各々の造形思考に引き付けて、憧れや影響だけでは成立しない明確なモチベーションをもって制作してもらおうという意図からです。ですから、その「共鳴」の結果として生み出された作品は、いいなあと思った元の絵とはかなり異なっているはずで、その異なった部分を面白がろう、というのが審査のスタンスです。
選び取った主体は若き画家たちの方ですから、先達の名画のある部分は選び取るかもしれないし、ある部分はまったく興味をもたないかもしれない。それでいいのです。むしろそこで生じる「違い」の方が面白い。その「違い」こそが、それぞれの画家たちの拠って立つ芸術世界の文脈の違いであると思います。従って、審査にあたっては、新たに生まれた作品と元の絵との関係に気をつけながら、それを描いた画家のモチベーションはどこにあったのだろうということを注意深く読み解いていきました。
結果、暗く沈む中に光明を放つ香月泰男《白椿》の陰影を切り刻むような筆法で唸るようなビートに変じた土田翔さんの《Segment》を大賞とし、優秀賞には堅山南風の絵から静謐な創造性をふくらませた北川由希恵さんの《散り集う》、準優秀賞に前田青邨の絵がもつ余白の喚起力を虚空の生命力に昇華した中嶋純花さんの《花は落ちても》を選定しました。また、一見表面的に似ているように見える他の作品にも、すごく面白い工夫が凝らされていたことを言い添えておきます。
審査員代表:野地耕一郎
ギャラリートーク開催&プレゼント企画のお知らせ
◎2025年11月29日(土) 13:00〜
Instagram(@unpel_gallery)でライブ配信予定です。
🎁プレゼント企画🎁
参加方法のいずれかにトライして、素敵なプレゼントを当てよう!
《プレゼント内容》
2026年椿絵カレンダー 10名様
椿絵図録 30名様
クリアファイル 200名様
《参加方法》
①メッセージボードに感想を貼る
②InstagramまたはXでUNPEL GALLERYのアカウントをフォロー&いいね
③フォトスポット(入り口ポスター前)で撮影してInstagramまたはXで投稿
※本企画はギャラリー内での開催です
展示作品
北川 由希恵『散り集う』
岩絵具、銀箔、墨、胡粉/吉祥麻紙
中嶋 純花『花は落ちても』
岩絵具、顔料、銀箔、和紙、クレヨン、
色鉛筆/天竺綿布
土田 翔『Segment』
板、岩絵具、胡粉、墨、モルタル、箔、樹脂/杉板
作家
北川 由希恵(きたがわ ゆきえ)
【選定椿絵-堅山南風「古代壺と花」へのコメント】
椿が無造作に生けられていることや優しい色彩から 和やかな空気を感じます。気取らない自然な椿が心に残りました。
【略歴】
2014 金沢美術工芸大学修士課程絵画専攻修了
2016 第1回松柏日本画展入賞
2019 改組新第6回日展特選
2022 第9回郷さくら美術館桜花賞展奨励賞
2023 第79回現代美術展 美術文化準大賞
2024 第11回日展特選
石川県出身
土田 翔(つちだ しょう)
【選定椿絵-香月泰男「白椿」へのコメント】
香月の作品に見られるざらついた素材感、まるで触覚で感じ取れるような対象への思いに共鳴したいと思いました。画面の手触り感は、私の作品にとって重要な要素です。
私は実感を持って表現できる素材を選択して制作します。香月作品の焼き物のような風合いや、マチエール、その力強さに、挑戦的なエネルギーを感じ、私なりの対象への向き合い方で、実感を得ながらその痕跡を画面に刻みたいという思いが湧きました。そんな想いを実際に絵画として隣で感じてみたいと思いました。
【略歴】
2022 東北芸術工科大学大学院修士課程芸術文化專攻複合芸術領域修了
2018 第72回福島県総合美術展覧会 福島県美術賞
2019 第73回福島県総合美術展覧会入選
第82回河北美術展 新人奨励賞
第40期国際龍富士美術賞特別賞
2020 アートアワードトーキョー丸の内2020 小山登美夫賞
2021 美術新人賞デビュー2021 入選
群馬青年ビエンナーレ2021 入選
第8回トリエンナーレ豊橋星野眞吾賞展 入選
2022 アートアワードトーキョー丸の内2022 後藤繁雄賞
第76回福島県総合美術展覧会 佳作 福島県文化スポーツ局長賞
2023 第77回福島県総合美術展覧会入選
2024 第78回福島県総合美術展覧会入選
神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond 公募大賞 奨励賞
第9回トリエンナーレ豊橋星野眞吾賞展 入選
福島県出身
中嶋 純花(なかじま すみか)
【選定椿絵-前田青邨「椿」へのコメント】
前田青邨の作品の魅力は、大胆な余白にあると考えています。
「椿」の余白は、単なる構成の面白さではなく、時間や場所を特定していないからこその、省略された背景に対して想像する景色は鑑賞者へ委ねられています。
今回私は、前田青邨の「椿」から学び、余白を使った椿のある風景を目指したいと考え、この作品を選びました。
【略歴】
2025 京都芸術大学大学院美術専攻美術工芸領域日本画分野修了
2023 2023年度 京都芸術大学卒業展優秀賞
第78回春の院展初入選
再興第108回院展初入選
2024 第79回春の院展入選
再興第109回院展入選
2025 第80回春の院展 奨励賞
佐川美術館栗和田榮一賞 受賞
再興第110回院展 入選
日本美術院院友 推挙
京都府出身