京都芸術大学美術工芸学科日本画コースで教鞭を執る岡崎昭一郎、川本照子、高畑彩佳と本学大学院博士課程に在籍する碇栞奈の 4名による展覧会「自装 /他装」を開催いたします。
「自装 / 他装」とは着付けの用語の一つであり、着物を身に纏う際、自分で着ることを「自装」、人に着付ける・着付けてもらうことを「他装」といいます。これは日本美術がしつらえの側面を持っていた時代の作品作りにも通じるところがあります。
各々の作家が絹本や截金、漆など古くからある素材や技法を用い、描くことと装うことで表現をしています。作家と表具師の展覧会ということで、自装作品に加え1人1点、他装としての表具を展示いたしました。伝統を受け継ぎながらも新たな日本美術の表現を試みる作家と職人たちの作品をご高覧いただけましたら幸いです。
本展覧会は 2004 年より京都造形芸術大学の日本画コースの教授であった(故)石本正氏によって命名され発足し、在学生から教員まで京都芸術大学にゆかりのある作家たちを選抜し世に発表してきた「画心展」に依拠します。
ギャラリートークのお知らせ
◎2026年6月21日(日) 14:00〜
参加者:碇 栞奈(いかり かんな)/岡崎 昭一郎(おかざき しょういちろう)/川本 照子(かわもと てるこ)/高畑 彩佳(たかばたけ さやか)
Instagram(@unpel_gallery)でライブ配信予定です。
展示作品
川本 照子「散蓮華」
195 mm
楠、檜、墨、金箔
高畑 彩佳 「山水図」
480 × 230 mm
227 × 158 mm
φ 30 mm
麻布、箔下砥粉、銀箔、木炭、糸巻
岡崎 昭一郎「海邉」
木島櫻谷画
2040 × 560 mm
絹本着彩、軸装
碇 栞奈「灯が燻る・灯が垂る」
各1040 × 140 ㎜
絹、墨、胡粉、岩絵具
作家
高畑 彩佳(たかばたけ さやか)
寺院での展示をきっかけに、西洋文化が入ってくる以前の日本美術が持つ設えの道具としての側面に興味を持ちました。継いだ箔や墨、掛軸や漆器など日本の美術様式を現代の生活様式や空間に合わせて再構成した作品を生み出しています。箔が反射することで光に輪郭を与え、間や余白の概念とともに、箔や素材から生じる揺らぎによって自分自身と向き合える機会を作れたら、と考えています。
【略歴】
現在 京都在住
京都芸術大学非常勤講師
2019年 公益財団法人クマ財団クリエイター奨学金 3期奨学生
2020年 京都造形芸術大学大学院修士課程芸術表現領域修了
2018年 個展 | 象牙の塔 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館造形スタジオ / 香川
2023年 個展 | ゆめゆめわすれることなかれ 光明院 / 京都
個展 | 言葉はなにか嘘をついているかもしれない DiEGO 表参道 / 東京
2025年 Fluctuate 三藤るい・高畑彩佳 TIME & STYLE / アムステルダム
West Bund Art & Design 2025 West Bund Art Center / 上海
2026年 ART CENTRAL 2026 Central Harbourfront / 香港
ONE ART Taipei 2026 JR東日本大飯店台北 / 台北
香川出身
岡崎 昭一郎(おかざき しょういちろう)
表具師と言う仕事をしており、自分で絵を描いたり、作品を創ったりすることはありません。作家さんの描かれた作品に相応しい装飾を施し、展示できるようにしております。もともと、文化財の修復に携わりながら修行をしておりましたので、古い作品の染み抜きや修理を得意としております。最近は今現在御活躍されている作家さんとの繋がりも多く、新しい作品を、現代建築の壁に飾る装丁に仕立てるなど、多岐に仕事をしており、作品を生かすことができるように、その都度の感性を大切に作業に取り組んでいます。
【略歴】
現在 京都在住
京都芸術大学非常勤講師(表具)
協同組合 京都表装協会 理事
1993年 私立平安高等学校普通科卒業
1993年 国宝修理装潢師連盟所属、(株)岡墨光堂に入社し国宝を始め重要文化財等の修復・表装を主に15年間修行
2006年 国宝修理装潢師連盟認定、主任技師資格取得
2008年 (株)岡墨光堂 退社、岡崎清光堂に戻る
2010年 京都府認定・京もの工芸士となる
2013年 京表具・伝統工芸士となる
京都出身
川本 照子(かわもと てるこ)
京都の伝統的な仏像工房において、仏像制作や仏画彩色、截金(きりかね)に携わる中で、仏教的思想や目には見えない精神性にも触れてきました。そうした経験をもとに、日本の古典的な素材と技法を用いながら、形の奥にある「見えない祈りや想い」の表現を試みています。
截金(きりかね)とは…
金箔を焼重ね合わせ 線状に細く截断し、1本1本 文様として貼り重ねていく伝統的な技法。古来から、主に仏像や仏画の荘厳に用いられることが多い。
【略歴】
現在 京都在住
京都芸術大学非常勤講師(截金)
2010年 京都造形芸術大学卒業
2010年 ㈱松久宗琳仏所 入社
2026年 ㈱松久宗琳仏所 仏像仏画制作及び截金
東京出身
碇 栞奈(いかり かんな)
「そこにいるようでいない、いないようでいる」。そんな曖昧な存在を視覚化するために、私は透過や反射を伴う素材を用いた表現を模索し続けています。本来、絹に描かれた絵画は「裏打ち」という補強を施して仕上げますが、あえてその工程を省き、絹が持つ透過性を活かして空間と作品の境界を曖昧にすることで、現実と地続きにある「見えないものたちがいる世界」を想像するきっかけになればと考えています。
【略歴】
現在 京都芸術大学大学院 博士課程 芸術研究科芸術専攻 在籍中
2024年 公益財団法人佐藤国際文化育英財団 第34期奨学生
2025年 公益財団法人クマ財団クリエイター奨学金 第9期奨学生
京都芸術大学大学院 修士課程 芸術専攻美術工芸領域 修了
2025年 個展『あわいがふれる』(KUNST ARZT/京都)
東武秋の絵画市2025『大美人画展~咲き誇る美~』(東武百貨店池袋店/東京)
-on Silk-絹本3人展(梅軒画廊/京都)
2026年 KUMA EXHIBITION 2026(スパイラル/東京)
個展『あれどもあらず あらずとも ある』(A-LAB/神戸)
静岡出身