坂本英駿/中田日菜子
金沢美術工芸大学大学院博士後期課程日本画専攻で学ぶ2人の作家の作品を展示いたします。
同研究室で学ぶ2人に共通するのは、写生と古典絵画の研究を土台に、自身が“愛でる” ものを描くことを通して、現代日本画の新たな表現を模索している事です。
“愛でる” とは、動植物や人や物などの美しさや可愛らしさに感動し、その美しさを味わい、慈しみ、かわいがり、大切にする事です。
坂本英駿は、孔雀を愛で、「尊像としての孔雀」をテーマに、屏風や大きな画面に金泥や金箔、墨、岩絵具などを用いて、孔雀の美しさや生命力などを手掛かりに、線描と色彩の関係を意識しながら、羽根や羽毛の豊かな輝きを緻密に描きます。
中田日菜子は、自身が飼育している生き物たちを愛で、彼らとのふれあいの中で育まれる愛着や実感を大切にして、絹本地に染料や墨、岩絵具などを用いて、質感や肌触りを感じさせる繊細な描写によって丹念に描き、額表装や掛軸装に仕立てます。
2人の制作姿勢は、“愛でる”という言葉で共通しながらも、その作品は各々の捉え方が見え、モチーフや作家の個性が影響しながら多様な表情を見せています。
孔雀や蛇、亀、蚕などの生き物をはじめ、私達が“愛でる” ものたちが会場で皆様をお待ちしております。
UNPEL GALLERY
昨年12 月、東京 日本橋にオープンいたしました「UNPEL GALLERY」では、運営母体である「あいおいニッセイ同和損保」のメセナ活動の一環として本年2月から5月までの間、全国の大学、美術大学で日本画を学ぶ学生の展覧会を開催いたします。
この活動は、さらなる「文化芸術振興」を目指し、若手の日本画家を対象とした発表の場の提供、また地域大学の卒業作品展示や各地域と連動した企画の実施により「地方創生」を推進するギャラリー開設の主旨によるものです。
展示作品
中田 日菜子「お蚕さん」
850×1320(mm) 絹、天然顔料、墨、染料、膠
坂本 英駿「孔雀」
1465×1472(mm) 紙本着彩 二曲一隻屏風
作家
坂本英駿(さかもと ひでとし)
私の制作のこだわりは、常に仏画を描いているような心持ちで制作している事である。
古典絵画の調査にはじまり、取材、写生、草稿、本画という過程を通して新たな孔雀の魅力を捉えようとする。
写生で孔雀との関係を深め、草稿で鉛筆の線一本一本に神経を注ぎながら孔雀の気・質を探す。
本画では、古の絵仏師が一筆一筆に神経を注いでいたように、細部に拘りを持ち、繊細に緻密に描きあげていく。
【略歴】
1988 佐賀県唐津市生まれ
2014 佐賀大学大学院教育学研究科日本画専攻 修了
2016 FINE ART / UNIVERSITY SELECTION 2016-2017(茨城県つくば美術館)
2017 第 7 回トリエンナーレ豊橋星野眞吾賞展(豊橋市美術博物館)
2019 佐藤国際文化育英財団第29期奨学生
芳泉文化財団令和元年度研究助成(2020)
金沢美術工芸大学大学院博士後期課程1年研究制作展 port Report(しいのき迎賓館)
2020 FACE展 2020 損保ジャパン日本興亜美術館賞展(損保ジャパン日本興亜美術館)
佐藤国際文化育英財団第29期奨学生美術展(佐藤美術館)
現在 金沢美術工芸大学大学院博士後期課程日本画専攻4年次在学中
佐賀県出身
中田日菜子(なかた ひなこ)
幼い頃から生き物が好きで、様々な生き物と触れ合ってきた。
現在においても、生き物好きであることに変わりはなく、現在はたくさんのペットに囲まれながら生活している。
(ボールパイソン、アオダイショウ、ウズラ、ネコ、クサガメ、ウンキュウ、レオパードゲッコウ、カイコを飼育している。)
可愛いモチーフたちと触れ合いながら、他に偽ることなく表現したいと思っている。
【略歴】
1995 石川県金沢市生まれ
2017 ワンダーシード2017 入選
2018 卒業制作大学買上
2019 第 28 回奨学生美術展(佐藤美術館)
2020 金沢美術工芸大学 大学院 絵画専攻 修了
2020 (財) 神山財団芸術支援プログラム第6回卒業成果展(AXIS GALLERY)
2021 金沢美術工芸大学大学院博士後期課程1年研究制作展ploonet(しいのき迎賓館)
現 在 金沢美術工芸大学大学院博士後期課程日本画専攻2年次在学中
https://hinakonakata.portfoliobox.net
石川県出身