第11回大学日本画展 【終了】1080 イチゼロハチゼロ -vol.2- 九州産業大学 日本画在学生展

第11回大学日本画展 【終了】1080 イチゼロハチゼロ -vol.2- 九州産業大学 日本画在学生展

第11回大学日本画展 【終了】1080 イチゼロハチゼロ -vol.2- 九州産業大学 日本画在学生展

展覧会概要

九州産業大学 芸術学部 日本画の在学生を中心とした展覧会 『1080 イチゼロハチゼロ -vol.2-』 を開催いたします。

展覧会名は、福岡県に位置する九州産業大学からアンペルギャラリーまでの距離1080 ㎞に由来していますが、こうして数字にあらわすと、あらためて東京までの距離間を認識させられます。九州産業大学の日本画は毎年1学年10人前後という学生数ではありますが、その中でも特に作家志望の強い学生を選抜し、今展の準備を進めてまいりました。昨年に続いての開催となることからvol.2 となります。

東京から1000 ㎞以上離れた地で生まれた表現を是非ご高覧いただければ幸いです。

インタビュー動画

展示作品

古賀 雄大『話がしたい』

古賀 雄大『話がしたい』

F50号 高知麻紙 墨 水干絵具 岩絵具

宮下 舞香『記憶』

宮下 舞香『記憶』

P8号 絹本 顔彩 土絵具 岩絵具

上田 裕実子『井の頭公園でいつか』

上田 裕実子『井の頭公園でいつか』

130.3×324cm 高知麻紙 岩絵具 水干絵具 アクリル絵具

南 聡<賛助出品> 『草 間』

南 聡<賛助出品> 『草 間』

145.5×224cm 高知麻紙 典具帖紙 墨 胡粉 銀箔 染料

渡辺 知聡『雨の足跡』

渡辺 知聡『雨の足跡』

P150号 高知麻紙 水干絵具 岩絵具

作家

渡辺 知聡(わたなべ ちさと)

渡辺 知聡(わたなべ ちさと)

私は、”植物の楽園”を主題に絵画制作をしています。

今回出品している《雨の足跡》では、急に雨が振り始め、人間と植物、生き物たちが動き始める場面を一枚の絵にしました。洗濯物を取り込もうとする人間の気配と、降ってきた雨を葉で受け止め水を蓄える紫陽花などの植物、雨に当たらない場所に移動しようとする鳥などの生き物たちの姿を描いています。

ふと家屋を見渡すと、配管に絡みついて成長した植物、庭に何処からか種が飛んできて、勝手に生え成長した植物が存在しています。私はいつも、人間にとって何気ない場所で私たちが知らず知らずのうちに成長した植物を見ると、実は植物たちにとって自ら育つ場所を選んだ”楽園”のような場所なのではないかと考えます。私はこのような作品を描くことで、植物との共生を感じています。

宮下 舞香(みやした まいか)

宮下 舞香(みやした まいか)

生活の中心にある“描く”という行為は、感情の波に寄り添うための方法です。

物事を悪い方へ考えすぎる私は、自画像を描くことで自分自身と向き合おうとしたことがあります。負の感情を表現に昇華させなければならないと考えたのです。しかし、その義務感によって、さらに大きな負の感情に支配され、自分を拒絶する日々から抜け出せなくなりました。その経験から、感情の波に抗うよりも寄り添える自分でありたいと強く願うようになりました。

今回の作品群では、自分自身を投影した他者の姿や、日常の中で見つけた美しいものを描いていますが、きっとそれは自分という存在を客観視しながら受け入れ、憧れや希望を持ち続ける為なのだと思います。鑑賞者によって様々な受け取り方ができるように、画中の人物は無表情を意識して描いています。

ありふれた日常やそれを描くことのひとつひとつに特別な意味はありません。しかし、私が感情の波と共に生きていくための唯一の方法なのです。

南 聡(みなみ さとる)

南 聡(みなみ さとる)

いつも通りがかりに目にする、どこにでもあるような何気ない風景でも毎日見つめていると色々な発見がある。
雑草に目を凝らしてみるとドクダミ、菜の花、カラスノエンドウ、朝顔などそれぞれ葉の形の異なる個性が浮かび上がる。また日々、草花が成長し、枯れ、朽ち果て、また新しく生まれてくる時間の移り変わりの中で、アリやバッタが忙しく行き交い、トンボや蜂やスズメが飛び交う様子に気が付く。
人の生活の狭間で激しく移りゆく生命の共存を薄い和紙に一枚一枚動きを変えて墨で描き、貼り重ねて行くことで、日々移り変わる季節と植物や生き物の共存を表した。

古賀 雄大(こが ゆうだい)

古賀 雄大(こが ゆうだい)

現実と理想の狭間にある自身の感情を描く。

絵の中の人物は私の代弁者である。劣等感による自己否定や先が見えない不安等、生きていくうえで様々な弊害が付き纏う。その中には一生を共にしなければならないものもある。言葉では表せない、恥ずかしく、醜いものこそ描くべきだと私は考えている。

目を背けたくなるような現実と向き合うことで見えてくる僅かな希望を真っ直ぐに表現したい。

上田 裕実子(うえだ ゆみこ)

上田 裕実子(うえだ ゆみこ)

《井の頭公園でいつか》

山口県出身・在住の私にとって東京は、実際に馴染みがあるわけではないけれど、テレビドラマや在住経験のある母からの伝聞によって、色々と夢想してきた特別な場所なのです。

本作は、タイトルが示すように井の頭公園や駅を舞台にした群像を描いていますが、画中の人物たちは京王井の頭線周辺を舞台にしたドラマの登場人物です(「高校教師」の桜井幸子さんや真田広之さん、「パパとなっちゃん」の田村正和さんなど)。また、歌川広重の名所江戸百景《井の頭の池弁天の社》なども参照しています。

井の頭線沿線が多用されている昭和から平成初期のテレビドラマを見る度に、不便な中でも団結力が漲っていた時代から、個が尊重される代わりに連帯感が薄れてゆく現代への変遷を実感します。

この時代の進みに幾許かの不安を抱くこともあるけれど、江戸時代に歌川広重の見た井の頭の池は今も変わらず穏やかさを持ち続けていることに希望を見出し、どのような時代も慈しみながら人生を歩んでいきたいと思います。

《千キロメートルを越えて》

母校である九州産業大学の最寄りの九産大前駅と、東京で制作されるドラマの世界とを融合させたものです。日本が線路によってどこまでも繋がっているように、ドラマチックな世界もすぐ隣に広がっているのかもしれないというときめきを込めて描きました。

UNPEL GALLERYの外観