UNPEL GALLERY オープン記念展 【終了】椿、咲く。 ― 初々しさを秘めた成熟に向けて

UNPEL GALLERY オープン記念展 【終了】椿、咲く。 ― 初々しさを秘めた成熟に向けて

前期展示/椿絵名品展ー蕾から大輪の花へ
後期展示/琳派の花ー近世から近代へ
<営業時間の変更> 11:00 ~ 19:00 → 11:00 ~ 17:00
UNPEL GALLERY オープン記念展 【終了】椿、咲く。 ― 初々しさを秘めた成熟に向けて

椿をテーマとした日本画、洋画、陶器などの工芸品等のコレクションの中から、各時代を代表する作品を展示します。

前期は「初々しさを秘めた成熟」をテーマに作成した2021年椿絵カレンダー掲載の原画を中心にコレクションの中から蕾と大輪の花を共に描いた作品をご覧いただきます。

歳あらたまって後期は江戸時代に生まれた琳派の作品を起点にその手法を継承した近代の画家たちの作品の数々をご紹介します。

ギャラリーオープン記念

ギャラリーオープンを記念してあいおいニッセイ同和損保所蔵の椿絵コレクションを展示します。

展示作品

横山大観「椿」

横山大観「椿」

紙本墨画淡彩・軸 25.3×22.8㎝

横山大観(1868~1958)は水戸の生まれ。東京美術学校に学び、岡倉天心の薫陶を受けて日本美術院(院展)で活躍。琳派に学んだ装飾的方向を示すとともに、水墨画に新境地を開きました。1937年第1回文化勲章受章。

椿の花のほかは水墨のたらし込み技法によって描かれている。葉も蕾も切り詰めた表現にもかかわらず質感が捉えられ、寒中に次々と花開く椿の強靭な生命に触れているような印象がある。

狩野山楽「椿梅図」

狩野山楽「椿梅図」

伝 狩野山楽 紙本金地着色・屏風 二曲一隻 174×184.6㎝

狩野山楽(1559-1635)は桃山時代から江戸時代初期の狩野派絵師。豊臣秀吉に仕え、狩野永徳の門弟として豪壮華麗な様式を受け継いだ。

狩野山楽の作と伝えられる本作は、金箔の地に紅椿と白梅、青竹が描かれている。椿は冬の寒さに耐え春を告げる花とされ、梅や竹もまた寒中に咲き、常緑をなすその強靭な生命力が戦乱時や武家に好まれた。桃山時代から江戸時代初期には吉祥画のモチーフとして椿を組み合わせる趣向が根付いていたことをうかがわせる。

村上華岳「椿花図」

村上華岳「椿花図」

絹本着色・軸 26.5×24㎝

村上華岳(1888~1939)は、大阪市の生まれ。大正期に土田麦僊らと国画創作協会を結成し、洋画表現を融合した日本画を次々と発表。喘息の悪化から後半生は神戸などに隠棲し、仏画や山水画、花鳥画を描き続けた。

緩やかにうごめき交錯する華岳の筆跡は、生き物の脈動のようなリズムをもっている。椿の花も暗い色に沈みながら、その翳りのなかに次に生きようとする情念を感じさせる。

岸田劉生「籠椿」

岸田劉生「籠椿」

油彩キャンバス・額 36.6×45㎝

岸田劉生(1891-1929)は東京銀座の生まれ。明治末に発刊された文芸雑誌『白樺』などによって、人間の個性を尊重する思想が、その後大正期に活躍する青年芸術家たちに多大な影響を与えたことはよく知られている。とりわけ、白樺派と親交した洋画家岸田劉生は、大正個性主義をリードする存在だった。

劉生は日本画も制作しているように、装飾のなかにもリアルな質感を表現することが「真の写実」であるという思考をもっていた。劉生の主張はこの絵にも反映されている。

尾形光琳「椿図蒔絵硯箱」

尾形光琳「椿図蒔絵硯箱」

木製漆塗 縦25㎝×横22.4㎝×高10.3㎝

尾形光琳(1658-1710)は、京の高級呉服商の生まれ。本阿弥光悦や俵屋宗達に触発された意匠性の強い様式を形成して、元禄文化を代表する絵師とされる。

本阿弥光悦が作った同種の観箱の形に倣って光琳が作った硯箱。金蒔絵の土坡の向こうに、螺細による白椿が二輪誇らしげに咲き、添えられた葉のうち三枚は黒ずんだ鉛によって自然な感触を思わせる。何気ない自然の一部をクローズアップして意匠化する光琳得意の構図である。

光琳が絵画だけてなく、陶芸家の弟乾山と共に陶器や蒔絵にしばしば椿を扱った作品を残したのも、彼ら兄弟が活躍した元禄年間(1688-1703)頃に椿の流行が開熟期となったことが背景にあった。

尾形乾山「色絵椿文輪花向付」

尾形乾山「色絵椿文輪花向付」

陶器 五客 各径10.3㎝×高7.2㎝

尾形乾山(1663-1743)は、光球の実弟。京焼の仁清に学び、鳴滝窯を開き人気を集めた。

中国陶器の三彩釉の緑・黄・紫の彩絵をアレンジして仁清による京焼の色絵が生まれたが、乾山はさらに自然のかたちを意匠化した色鮮やかな食器を様々に展開させた。この向付には、器の内にも外にも光琳模様の椿の絵付けが施されている。

この記事をシェアする

UNPEL GALLERYの外観