工藤彩インタビュー 桜花賞展 大賞受賞
UNPEL GALLERYで、2022年2月大学展(グループ展)に出品した工藤彩さんが、郷さくら美術館 桜花賞展で大賞を受賞されました。ご本人によるギャラリートークが行われるとのことでお話を伺いました。
会場は東京・中目黒にある美術館です。目黒川沿いにあるお花見スポットのど真ん中。毎年開花時期は早くなりこの時期、桜は残っていませんが美術館の中はまだまだ満開です。
桜花賞展は、美術館が2012年東京に開館して、その1周年を記念してスタート。途中コロナ禍で中断したこともありましたが今年で10回目となります。活躍が期待される日本画家30名に桜をテーマとした作品を出品してもらい、その中から大賞1名、優秀賞1名、奨励賞5名が選考されます。今回工藤さんが栄えある大賞を受賞されました。
工藤さんは金沢美術工芸大学大学院を卒業後、同校で助手を務め制作を続けています。モチーフとなった桜は、石川県金沢市の小立野台地にある染井吉野。職場に通う途中にあり毎年春の訪れを感じさせてくれるお気に入りのスポット。
作品タイトルは、生命力あふれる大きな幹の間から見える桜と周りに共生する植物たちの楽しそうな様子から「桜の間」。
工藤さんは写真では伝わらない、現場の空気感と対象の色合いを吸収するため、観察に時間をかける。今回もスケッチには1か月半以上かけている。
最終的な本画制作は2,3週間だったが、本画は一度書き直している。最初に出来上がってみると、何か自分らしい桜ではない。自分は器用ではないのに背伸びをしすぎ、現場の雰囲気が伝わらない小手先の様な作品に感じた。最終的には丁寧に細部まで描き込み、桜の樹の重み、全体の光の調子が満足のいく作品になった。
ポイントは、一つは手前の幹と奥の桜の距離感、実際の距離を少し縮めて描き、遠くなりすぎず、なおかつ近づきすぎず配置した。もう一つは全体の空気感の表現。あまり重くならないよう、画面に柔らかな明るさを出すために岩絵具の花胡粉、雲母、象牙色を混ぜて薄くかけている。花胡粉は自分と相性が良く色を重ねて制作をすすめるのが楽しかった。
実は今まで作品として桜を描いたことがなかった。桜は多くの作家がモチーフとして取り上げ、素晴らしい作品がたくさんある。それだけに自分にとってはトップクラスに難しいモチーフ。指名をいただいた時には嬉しい気持ちと、「描けるのか」「私でいいのか」と正直迷ったが、やってみようと決心して、結果自分らしい作品ができたと思っている。
桜花賞のお話がなければ描かなかったモチーフ、一歩踏み出すことができた。今後はこのチャレンジを活かして更に成長していきたい。
第10回 郷さくら美術館 桜花賞展
会期:2023/3/7-5/14
工藤彩さんの Instagram
UNPEL GALLERYでの過去展覧会時インタビュー動画は こちら